春の甲子園(センバツ)で「DH制が導入された」というニュースを見て、「DHって何?」「なぜ今?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
ここでは、「DH制」と少年野球への影響を説明したいと思います。

DH制
DHは「指名打者(Designated Hitter)」のこと。
簡単にいうと、「ピッチャーの代わりに打つ専門の選手を出せるルール」です。
通常の場合、ピッチャーもバッターとして打席に立ちます。
DH制の場合では、
- ピッチャーは「投げることに専念」
- ピッチャーの代わりに別の選手が「打つ専門」として出場
の役割分担となります。
甲子園でDH制が導入された背景
DH制が導入された目的は「ピッチャーの負担軽減」と考えられます。
高校野球では、ピッチャーが長いイニングを投げた上に打席にも立ち、走塁もするため、短い期間で試合を続ける中で、体への負担が大きいことが課題となっていました。
特に最近は、「選手の健康を守る」流れが強くなっており、投球以外の負担を減らす目的で、DH制が導入されました。
※投手を含めて控え選手の選手層の厚い、甲子園に出場するような強豪校の場合、この役割分担が有効になります。
DH制の試合の観戦ポイント
プロ野球では、DH制のあるパ・リーグとDH制のないセ・リーグがあり、その差が観戦のポイントになると思います。
※プロ野球は、2027年からセ・リーグもDH制が採用となる予定です。
DH制なし(通常ルール、セ・リーグ)
野手に比べると打力の低いピッチャーに打順が回るため、
- 作戦が複雑(バント・代打など)になる
- ピッチャーに代打を出すため、ピッチャーの交代が多く発生する
- 選手交代が多く、試合時間が長くなる
などの特徴があります。選手交代など監督の采配の妙が出るため、玄人好みの試合展開となります。
DHあり(2026年春の甲子園、パ・リーグ)
野手に比べると打力の低いピッチャーが投球に専念するため、
-
攻撃は「打てる選手中心」になる
-
試合展開がシンプルでスピーディー
- 打線が強力になるため、ピッチャーも高いレベルが求められる
の特徴があります。パ・リーグがセ・リーグよりも強いとする説は、このDH制の有無を理由とする場合が多いです。
少年野球でのDH制の可否
少年野球ではDH制が導入されていません。
打つ・守る・投げるを経験することが大事
少年野球は「育成」の段階であり、打つ・守る・投げるのすべてを経験することが重要です。
DH制は、その「育成」から離れてしまいます。
ポジション固定を避ける
DH制のメリットは、ピッチャーとパッターの「役割分担」です。
そのため、打つだけの選手、守るだけの選手と役割が固定されてしまいます。
少年野球では、いろいろなポジションを経験することが成長につながるため、DH制のメリットが逆効果となります。
ルールを複雑にしない
DH制は、選手交代の面でルールが複雑になります。
少年野球は野球の入り口であり、できるだけ分かりやすいルール、覚えやすい進行が優先されて良いと思います。
まとめ
今回の甲子園でのDH制の導入は、「選手、特に投手の体を守るためのルール変更」の意味合いが強いです。
少年野球でも、投球数制限・登板間隔・練習時間の管理など、特に投手の安全面が重視されています。
DH制のメリットの一つは「役割分担」ですが、少年野球ではいろいろなポジションを経験することが成長につながるため、DH制が逆効果になるため、導入がされていないケースがほとんどです。
〈この記事について〉
私自身の指導者経験から、少年野球を応援するお母さんの目線での記載になっていますので、野球に詳しい方の理解と異なる場合があります。