ピッチャーの記録として一番耳にする「勝利投手」。実はいろいろな条件があるのですが、意外と単純でなかったりします。
プロ野球で耳にする「ホールド」と一緒に、説明したいと思います。

勝利投手
「勝利投手」はチームが勝った試合で、勝ちにつながる投球をした投手に与えられる記録です。
野球のルールでは、勝利投手は以下のパターンになります。
- 先発投手の場合
チームがリードしたまま勝つ試合で、5回以上投げていると勝利投手になる - リリーフ(途中から投げた投手)の場合
チームが逆転して勝ったとき、逆転直前に投げていた投手が勝利投手
つまり、「チームが勝った後、最も勝利に近いタイミングで投げていた投手」が勝利投手となります。
規則の細かい条件はありますが、基本はこの考え方で十分です。
但し、プロ野球は規定イニングが9回、少年野球の規定イニングは7回(しかも時間制限で途中で打ち切りがある)と違いがあるため、「5回以上」の部分が、少年野球では公式な記録と扱えない、と考えて良いと思います。
公式野球規則
公認野球規則では「勝利投手」の定義は 10.17(a) に書かれています。
【公認野球規則 10.17(a) 原文】
10.17(a)
先発投手が勝利投手となるためには、次の条件を満たさなければならない。
(1)試合が規定イニングで行われた場合は、少なくとも5イニング 投球していること。
(2)チームがリードを保って勝利した場合、そのリードが同点または逆転されていないこと。
つまり、
- 先発投手は5回以上 投げて、チームがリードしたまま勝つと勝利投手。
- 途中から投げた投手(リリーフ)は、逆転前に投げていた投手が勝利投手(同規則10.17(b))。
となります。
ホールド
ホールドは、リードしている状況で途中登板し、そのリードを守った投手に与えられる記録です。
主にプロ野球で使われる指標で、リリーフ投手の貢献度を表すために作られた比較的新しい記録です。ホールドの条件は、
- チームが勝っている状況で登板
- 逆転されずに次の投手にバトンを渡す
- 1アウト以上を取っている(※公式にはいくつか追加要件あり)
つまり、「勝っている試合を守った中継ぎ投手の頑張りを評価する記録」がホールドですが、少年野球ではホールドを記録することは、ほぼありません。
- 救援専門の投手という概念が薄い
- 起用法が育成目的のため、役割分担がプロほど明確でない
- 記録係がそこまで細かくつける必要がない
の理由が考えられるためです。
公式野球規則
実は「ホールド」は 公認野球規則には存在しない用語です。
「ホールド」は 日本プロ野球(NPB)独自の公式記録として設定されたもので、以下の要件を満たすとホールドが記録されます。
【NPBホールドの定義(※公認野球規則ではなく、NPB公式記録員規定による運用ルール)】
- リードしている状況で登板
- 逆転されずに1アウト以上を取る
- セーブの権利を失わない状態で降板
(例:3点差以内、または同点時の満塁・1アウトなど「セーブがつく場面」)
ホールドは中継ぎ投手の頑張りを評価するためにNPBが作った「作られた記録」です。
少年野球では試合形式、選手起用がプロ野球とは大きく違うため、「ホールド」が意識されることはありません。
投手の記録「勝利投手」「ホールド」「セーブ」
プロ野球では、ピッチャーにそれぞれ役割があります。その役割に応じた記録が準備されていると考えて良いと思います。
- 先発投手 = 勝利投手
- 中継ぎ投手 = ホールド
- 抑え投手 = セーブ
少年野球の場合は、「ピッチャーに役割」の概念がうすく、そのため、その記録を重要視することが少ないと考えることができると思います。
まとめ
「勝利投手」は、チームが勝った時に、一番勝ちに近い投手につく記録です。
「ホールド」は、プロ野球の中継ぎ投手の評価のための記録です。
少年野球では、試合形式や選手起用方法がプロ野球と違うため、投手の記録である「勝利投手」「ホールド」「セーブ」は重要視されていません。
〈この記事について〉
私自身の指導者経験から、少年野球を応援するお母さんの目線での記載になっていますので、野球に詳しい方の理解と異なる場合があります。