少年野球から高校野球、プロ野球まで、重要なサインプレーの「スクイズ」。
攻撃側と守備側がどんなことに注意してプレーしているかを確認してみます。
スクイズは少年野球では重要なバントの作戦
盗塁の成功率の高い少年野球では、送りバントの重要性は高くありませんが、スクイズは重要度が高まります。
大事な3塁ランナーがホームインするのか、アウトになるのか、リスクの大きなプレーです。
特に、6年生の強豪同士の試合では1点を争う試合となる場合が多く、スクイズの攻防が勝敗を分けることもあります。
スクイズが採用される場面は
- 2アウト以外でランナーが3塁にいる(大前提)
- 2ストライクになっていない
- 2ボールなど、ボール先行のカウントでストライクを投げる確率が高い
- 先取点や点差のないゲームで1点が欲しい
- バッテリーが強力で、パスボールやワイルドピッチなどのバッテリーエラーが少ない
- バッターの打力に不安がある
以上の条件で、スクイズを決行します。
スクイズのポイント
スクイズを攻撃側、守備側でポイントを考えていきます。
攻撃側
バッター
なんとしてもバットに当てて、フライとせずにゴロとすることが重要です。
守備側が大きく外したボール(ウエストボール)でも飛びついて喰らいつく、そんなブレーが求められます。
また、守備側に気づかれないよう、ピッチャーが足を下ろすタイミングに合わせてバントの構えをする、が一般的なタイミングになります。
※ピッチャーは、足を地面についてから投げるボールのコースを変更することが難しいため、このタイミングが一般的となります。
ランナー
3塁ランナーはバッターがバントを成功することを信じて、ピッチャーが投げると同時にホームに走ります。
ランナーはバッターよりも少し遅いタイミングとなりますが、スタートが早すぎると、守備側に気づかれ、バッターがバントできないよう大きく外す(ウエストボールといいます)ことになるため、スタートのタイミング(早すぎない)が大事です。
守備側
ピッチャー
スクイズの可能性がある場合は、まずは3塁ランナーに牽制球を投げましょう。
- ランナーが焦ってスタートする
- バッターが間違えてバントの構えをする
- コーチャーの言葉が怪しい
など、確認できるポイントがたくさんあります。
実際に投球する場合は、
- スクイズを警戒して大きく外す(ウエストボールを投げる)
- スクイズを警戒しつつ、高めのスピードボールを投げる(バントがフライになりやすい)
が良いです。
変化球のない少年野球ではスローボールは、「バントがしやすいだけ」なので、速球で勝負しましょう。
投球後、スクイズをされてしまった場合は、キャッチャーの指示に従って、焦らず送球することが大事です。
キャッチャー
まずは、相手ベンチからのサインを見ます。相手のサインが分からなくても見ることで、スクイズの予感を感じることがあります。
また、サインを見たあとのバッターの様子も観察しましょう。スクイズは緊張するプレーのため、バッターの様子に変化が出る場合があります。
- バットの握りを変える
- バッターボックスでの立つ位置を変える
- 急に声を出す
このあたりの行動を感じることができた場合は、要注意です。
また、ピッチャーが牽制球を投げた場合は、バッターの様子を観察しましょう。
スクイズの可能性を感じたら、外角高めに大きく外す(ウエストボール)ことで、スクイズを防ぎましょう。
スクイズをされてしまった場合は、ホームインの阻止にこだわるのではなく、どこでアウトがとれるのか?を判断して、指示を出します。
内野手、外野手
まず、チーム全体でスクイズの可能性の確認をしましょう。
スクイズをされたとしても、確実にアウトを1つとることが大事です。そのためにはスクイズされた後のプレーを確認することが一番大事です。
プレーを確認できた後は、バッテリー同様、バッターやランナーの様子を確認しながら、スクイズの可能性が高い場合は、「スクイズあるよー」と声を出しましょう。
この声でバッターの緊張を高め、失敗の可能性を少しでも高くすることが大事です。
まとめ
スクイズは1点の攻防となり、攻撃側も守備側も緊張するプレーです。
攻撃側はスクイズを気づかれないようにすることが大事です。
守備側はスクイズの雰囲気をチーム全体で感じ取ること、スクイズをされた後のプレーを確認すること、スクイズをされた場合は確実に1アウトを増やすこと、が大事です。
〈この記事について〉
私自身の指導者経験から、少年野球を応援するお母さんの目線での記載になっていますので、野球に詳しい方の理解と異なる場合があります。